ピカ(Pika)/ナキウサギ

げっ歯目 ナキウサギ科
体長:15〜20cm
体重:130〜150g程度

■「pika(ピーカ、パイカ)」とは北東シベリアの原住民ツングース語の鳴兎を意味する「peeka」から取った語です。中国語では「suutu」,モンゴル語では「ogotona」 または「ochodona」と言い、北海道然別地区の開拓民は以前からこの種を「ゴンボネズミ」と呼んでいたそうです。「なきうさぎ」という呼称は、島倉享次郎先生が考えた俗名で、よく鳴くことに由来しています。また、学名のOchotona hyperboreaはモンゴル語から取った物です.

 鳴兎は年中活動し、日中だけでなく夜も少なからず活動します。水には入らず、樹に上がることはまずありません。雪に穴を掘ることはありますが、積極的に土を掘ることはなく、食物はほぼ完全な植物食です。初夏から晩秋にかけて貯蔵植物を口にくわえて、雨が当たりにくい場所に運びため込みます。長径が3〜5ミリの小さな丸い扁平な糞を沢山同じ場所にします。また、他に盲腸糞と言って長さ18〜25mm、直径が3〜6mm程の紐状の柔らかい糞もしますが、これは再食します。
 石や岩の堆積地に生息し、巣穴や移動には多くの場合その隙間を使います。巣穴の中が冷涼で乾燥していることが条件で、林道工事で出現した石や岩の隙間も巣穴に利用することがよくあります。
 北海道では大雪山地域、日高山地、天塩北見山地などに生息地があります。

 発情・出産期は4月〜7月。妊娠期間は30日間ほどで、年に1産。産子数は1〜5頭通常2〜3頭です。生後1週目頃からヨチヨチ歩き始めチィーチィーよく鳴き、まもなく歯もほぼ出そろいます。生後10日を過ぎると開眼し草を僅かに食べる。離乳は生後約2週目頃で体重は40グラム前後で、一人前に行動でき体毛は灰褐色でほぼ親と同じである。生後6週目頃には体重が120グラムほどになり、成体の体形になります。