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バイケイソウ(梅~草 -Veratrum album-) |
科 名:ユリ科
属 名:シュロソウ属
学 名:Veratrum album
【特徴】
開花期の草丈は1mを超えるユリ科の多年草で、高地の湿原周辺の草原や明るい林内などに自生し6月〜8月に2cmほどの緑白色の臭気のある花を房状につけます。
芽生えの姿が、山菜のオオバギボウシ(ウルイ)やギョウジャニンニクとよく似ているため、毎年のように誤食して中毒する事例があります。
煮ても湯がいても天ぷらにしても毒は消えません。
【名前の由来】
花がウメ、葉がケイランに似ていることからこの名があります。
【有毒成分】
ジエルビン(jervine),シクロパミン(cyclopamin),ベラトラミン(veratramine)エステル結合を有するプロトベラトリン(protoveratorin)などのC-ノル-D-ホモステロイドを骨格とするステロイドアミン類で,全草が有毒です.
毒素としては特にプロトベラトリン(アルカロイド)の毒性が強く、アコニチンに匹敵すると言われています。
※アコニチン(Aconitine)とはトリカブトに含まれる毒成分。猛毒で毒薬(アコニチンを含む生薬は劇薬)扱い。嘔吐、痙攣、呼吸困難、心臓発作を引き起こす。
根茎は白藜蘆根(びゃくりろこん)と呼ばれ血圧降下剤,嘔吐剤としての利用もかつてありましたが、吐き気などの副作用が強すぎる為現在では用いられません。
また、東雲草(しののめそう)の名で殺虫剤としても使われていました。
【症状】
食べると口の中がヒリヒリとした不快な味がし,食後10〜30分でめまいしびれなどの症状が出始め,30分〜1時間くらいで下痢や吐き気をもよおし,血管が広がって血圧降下(脈拍の異常な低下),心拍数の減少,めまい,手足のしびれ,けいれん下痢・嘔吐,悪寒,などの症状が出ます。
重症の場合は血圧低下から意識不明となって死亡します。同じ仲間のコバイケイソウ、シュロソウ等も同様に有毒。
【見分け方】
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バイケイソウ |
オオバギボウシ |
新芽 |
葉が葉脈に沿って蛇腹状に縦に折り畳まれており,葉脈は縦縞状の溝となっています。 |
葉が巻いており、葉脈が外側へ筋状に出張っています。 |
葉 |
バイケイソウの葉脈は、葉の付け根から先端に平行に並んでいます。
葉の裏側は細かい毛が生えているので,少しザラつく感じがします。
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オオバギボウシの葉脈は、真ん中を走る主脈から葉の上縁へ向けて枝分かれする側脈が出ています。
葉の裏側は無毛で滑らか。
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葉/茎 |
茎が立ち上がりながら,葉柄のない葉が茎に交互に付く。 |
茎がなく,長い葉柄のある葉が地際から生える。 |
味 |
口の中がヒリヒリする不快な味 |
若葉には苦味はありません |
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